井伊直政とは
井伊直政(いい-なおまさ)は戦国時代の武将で、井伊谷城主・井伊直親の嫡男として1561年に生まれた。
母は奥山朝利の娘・ひよ。
母が違う兄弟に高瀬姫、井伊吉直がいる。
2023年NHKの大河ドラマ「どうする家康」(主演:松本潤さん)では俳優の板垣李光人 (いたがきりひと) さんが井伊直政の配役となっている。
井伊家は今川義元に従っており、1560年、織田信長との桶狭間の戦いにて、井伊直盛と井伊家の一族・家臣ら16名が討死。
嫡子がいなかったため、養子になっていた井伊直親(井伊直政の父)が家督を継いだ。
しかし、今川寄りだった家老・小野道好(小野但馬守政次)の讒言により松平元康（徳川家康）への内通を疑われた。
そのため、1562年、今川氏真に弁明するために駿府に向かう途中の掛川にて、今川勢の朝比奈泰朝によって父・井伊直親は主従19人と共殺害された。
まだ井伊直政も幼かったことから、次郎法師(桶狭間で命を落とした井伊直盛の娘)が井伊直虎と名乗り女性ながらも井伊氏の当主になり、なんとか乗り切っている。
更に2歳の井伊直政も命を狙われたため、井伊直親と懇意だった新野親矩(新野左馬助)が寿桂尼や今川氏真に命に代えて願い出て、亡き井伊直親の遺児・万千代(井伊直政)預かって養育した。(諸説あり)
<注釈> 井伊直盛の妻が新野親矩の妹(祐椿尼)であった。
しかし1563年、曳馬城主・飯尾連龍が今川家に謀反を起こすと、引馬城を攻撃した際に新野親矩は三浦正俊、中野直由らと討死。
そのため、新野親矩の妻・奥山朝利(奥山因幡守朝利)の妹は、幼い井伊直政の身を案じて、叔父である浄土寺の僧侶・珠源に預けて出家させたと言う。
それでも、井伊家の家老・小野道好(小野但馬守政次)は唯一残った虎松(井伊直政)の命を更に狙ったとされ、永禄11年（1568年）、井伊直虎は虎松(井伊直政)を三河・鳳来寺に入れて保護した。
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その後、井伊谷城は今川勢や武田勢に奪われるも1573年、武田信玄が死去。
徳川勢の支配下となると井伊家再興を狙い1574年、井伊直政の母・ひよ（奥山朝利の娘）が徳川家臣の松下清景(松下常慶の兄)に再嫁し、虎松を連れ子として松下氏の養子にした。
そして1575年、浜松城下にて井伊直政(15歳)は徳川家康に見出され、井伊氏の家督を継ぐことと旧領安堵を許され、徳川家康の小姓となり、高天神城の戦いでも武功をあげたと言う。
1582年、22歳と井伊直政の元服は遅かったが、本能寺の変では徳川家康の伊賀越えにも同行している。
<注釈> そのあと井伊直虎が死去。
その後、天正壬午の乱で活躍し武田遺臣120名が井伊直政の家臣に組来れて、山県昌景の「赤備え」を継承して旗本先手役の侍大将になった。
(井伊の赤備え)
そして、井伊直政の軍団は常に浜松城下に常駐し即応できる体制を取っている。
1584年、松平康親の娘・花（唐梅院）が徳川家康の養女となって結婚。のち1590年に嫡男・井伊直勝が生まれている。
井伊直政は1584年、小牧・長久手の戦いで勇猛果敢な姿を「井伊の赤鬼」と称されている。
1586年、徳川家康が上洛して大坂城の豊臣秀吉に臣従すると、能力を評価された井伊直政は従五位下に叙位させ、豊臣姓も下賜された。
1590年、豊臣秀吉の小田原攻めでは、唯一夜襲をかけて小田原城の内部まで攻め込んだ武将としても知られる。
徳川家康が江戸城に移封となると、井伊直政は上野・箕輪城12万石となった。
この12万石は、徳川家臣の中で最高の知行である。
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1600年、関ヶ原の戦いでは徳川家康の本隊に従い、本多忠勝と共に軍監を務めた。
また、西軍諸将の調略も行っており、京極高次、竹中重門、加藤貞泰、稲葉貞通、関一政、相良頼房、犬童頼兄らを味方に引き込んでいる。
更に、関ヶ原での先陣・福島正則よりも先駆けて、井伊直政は若い松平忠吉を連れて先に攻撃を開始したとされる。
西軍の島津勢が中央突破を光と井伊勢は追撃し島津豊久(島津義弘の甥)を討ち取っている。
しかし、島津勢・柏木源藤の鉄砲で足を負傷。
その後も戦後処理で外交手腕を発揮し、石田三成の旧領・近江・佐和山城18万石を与えられている。
そして、佐和山城を廃城として彦根城の築城を開始した。
ただし、井伊直政は関ヶ原での足の傷がもとで、1602年2月1日、佐和山城にて死去。享年42。
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